はじめまして。盛屋水産です。2011.11.25
宮城県気仙沼市唐桑町(からくわちょう)。
この地の鮪立(しびたち)湾で 3代約100年にわたり
牡蠣の養殖をしている漁師一家 家族3人でやっている会社
それが 盛屋水産 です。

自慢は 手間ひま愛情かけた 弾力のあるぷりぷりの こんな牡蠣です。

DSCF0469.jpg

夏は温湯処理 (温水に牡蠣をつけ、周りについた海藻や貝を除く作業)、
冬はつなぎ牡蠣作業 (岩のように重なった牡蠣を ひとつひとつ手作業で外し ロープに付け替える作業)、
1年をとおして 静かな流れのある「潮とおし」の良い場所への 牡蠣筏の移動、
これらすべてを牡蠣1個1個に十分な栄養を与えるために行っています。

2011年3月11日。
加工場、養殖用の筏・一艘を除き所有していた船・機械・用具類、すべてが津波により全壊・流出し、
自宅は流出こそ免れたものの3階まで達した波により全壊しました。
前年2月のチリ地震津波の被害から立ち上がりつつあった矢先のことでした。

こだわりの方法での牡蠣生産を諦め、グループ単位で始まった牡蠣生産を 淡々とこなそうと思ったこともありました。

しかし、自ら被災しながらも弊社の牡蠣に惚れ込んで再開を待ってくれている
気仙沼の水産加工業者 株式会社斉吉商店さん を始め、

過去に訪れた弊社のことを心配し 応援してくださるたくさんのお客様、

鮪立地区を拠点とし 活動してくれているボランティアの方々

みなさんとのふれあいをとおし、
再び立ち上がる元気と勇気が湧き上り、今、新たな夢を描いています。

とびきりの牡蠣生産技術と、残った家と、助かった自分たちの命。
すべて活かすことにより、みなさんに喜んでいただき、ご恩返しがしたい。

応援してくださった皆さんが、
気兼ねなくこの地を訪れ、成長した牡蠣を見たり食べたりし、
この土地を 益々好きになってくださる仕組みを作りたい。

生産者と消費者として、また人と人として、
末永くつながっていきたい。

そんな想いを込め、
このたび株式会社ミュージックセキュリティーズさんのファンドで支援を募り、
壊れた家屋を修繕し、
みなさんとのつながりの拠点として活用したいと考えました。

海の恵みを受け丹精込めて作った牡蠣を、
自分たちが率先して直接消費者のみなさんにお届けし、価値を認めていただくことにより、

より良い生産につながる。

漁業っていいな、と感じ 養殖を営む後継者が育ち 漁業が次世代につながる。

この地域と漁業の再生産につながる。

「つなぎ牡蠣」による いろんな「つながる」を目指して、「つなぎ牡蠣事業」発足します。

これまでは魚市場や販売業者さんを介してのお客様とのつながりでしたが、
つなぎ牡蠣により生産した牡蠣の直販を開始致します。

それに先立ち、
養殖筏での見学体験、わかめや牡蠣の水揚げ体験、
安全が確保できる程度に修繕したかつての「唐桑御殿(*)」で
飲んだり食べたりくつろいだり、
気仙沼市唐桑地区の美しい自然と暮らしぶりを体で感じていただき、
つなぎ牡蠣の成長ぶりを楽しんでいただけるように致します。

自慢のとびきりの牡蠣が完全復活するのは、2015年頃の見込み。
まだ4年後の話です。

その間、少しずつ復興し生産が戻ってくる様子を、このブログを通じみなさんにお伝えします。
大きく育った牡蠣を共に喜ぶ日を目指して。

 *「唐桑御殿」:遠洋漁業で栄えた気仙沼市唐桑地区で船頭や乗組員が競うように建てた入母屋造りの勇壮な家屋。
牡蠣2illustrated by Masae Hatakeyama


11/25 06:22 | はじめまして | CM:2 | TB:0
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