かつての自宅を残す その1 2011.12.15
盛屋水産を営む菅野家。かつての自宅は 「唐桑御殿」と呼ばれる3階建ての家でした。

「唐桑御殿」とは、遠洋漁業で栄えた気仙沼市唐桑地区で 船頭や船員が競うように建てた
入母屋造り(いりもや づくり)の勇壮な家です。

入母屋造りでは 屋根の構造が 上部が2勾配(切妻造り)、下部が4勾配(寄棟造り)となっており、
日本では古来より格式の高い建築様式のようです。

下の写真は分かりやすい唐招提寺の例(wikipediaより著作権放棄の写真をお借りしました)。
入母屋造り唐招提寺2

そしてこれが盛屋水産の「唐桑御殿」、かつての自宅 2011年12月現在の姿です。
現在の社長 和享(やすたか)で 牡蠣養殖3代目ですが、和享も含め、養殖を継ぐ前は代々船乗りでした。
この「唐桑御殿」は2代目の信一(故人)が建てた家です。
盛屋全景

2011.3.11、ここ気仙沼市唐桑町鮪立(しびたち)には20m以上ともいわれる波が押し寄せ
この家は外側は残ったものの、中は天井などもこわれ全壊しました。
下の写真は震災当日 津波第1波の後の家を 近所の方が撮っていたものです。
goten2.jpg

この家よりも海岸寄りにある土地では、ご近所の家がすべてなくなりました。
下の写真は 弊社を訪ねてくださった気仙沼の食品加工 斉吉さんが撮ってくださった6月時点のもの。
かつては この家からは こんなにも海は見えませんでした。
大勢のボランティアの方々が この家の前にあった呆然とするような瓦礫の片付けを 手伝ってくださいました。
盛屋より前の風景

それでも6月末時点では ここ鮪立(しびたち)にはまだまだ 下の写真のような状態がたくさんありました。
鮪立110629

震災直後から6月までの3ヶ月間は避難所生活を送りました。
避難所生活はプライバシーはありませんが、みんなで助け合い励まし合い、
再開のための多くの情報を得ることができました。

5月からは地域の同業者でグループを作り、助成金を活用して養殖準備再開。

6月に、かつての自宅より少し高い位置にある1軒後ろの家ー 
そこも1階の天井近くまで波が来たため片付けと掃除が大変でしたがー その家を購入することを決断。
親戚やボランティアの方々の力を借り、なんとか住める状態にして、新しい自宅での生活が始まりました。

新しい家もこれから修理していかなければならない中、かつての自宅をどうするか 大変悩みました。
そのままではとても住める状態ではなく かといって 立派に残っている部分も沢山あり 壊すにはしのびない。
けれども 現在の自宅とかつての自宅 2軒も家を修理 手入れ 管理するなど
仕事道具のすべてを失い養殖再開に奔走する中 到底できません。

そんな6月半ばのある日
弊社の牡蠣を加工している 気仙沼の食品加工業者 斉吉さんが訪ねてきてくださいました。 

自身も津波による甚大な被害を受けた斉吉さんでしたが その頃既に事業再開のため猛スピードで懸命に努力を重ねていらっしゃいました。
5月半ばにはミュージックセキュリティーズさんの「被災地応援ファンド」でいち早く必要資金を集め、待ってくださっているお客様のため一日でも早い再開に全力投球中。
そんなお忙しい中、弊社を訪問してくださり、勇気づけて背中を押してくださったのです。

その時の斉吉の社長さんのお言葉「スピードが大事」「変わっていかなくちゃ」

そして専務の和枝さんの言葉からあふれる
気仙沼 そして唐桑の 風土と暮らしぶりへの愛情
漁業を守り発展させることへの情熱

お二人の言葉が頭と体をぐるぐると駆け巡ります

そして話が以前の自宅に及んだ時
「壊すなんて もったいない!!」

「形あるものは強いよ」
津波によりいろいろなものを失った社長さんの言葉が
津波によりいろいろなものを失った心にしみていきます

盛屋水産の仕事ぶりをみてもらい、唐桑の自然と漁師生活とおいしい食べ物
それを体感してもらえるそんな場所にしてはどうか...

その時は もっとおぼろげな形で 実現する方法も定かではありませんでしたが、

かつての自宅は残す!

そのことだけは、斉吉さんとの会話の中で 心に決めたことでした。 つづく

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牡蠣2illustrated by Masae Hatakeyama



12/15 05:38 | 唐桑御殿修繕報告 | CM:2 | TB:0
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